絵本 - Y.Ohno's ArtWorks

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「セルリポのおしらせとユーイムよるのたび」2017　数年前に描いた絵本をアップしました。3/1, 2020　　　

いまよりむかしのみらい、あるくににユーイムというこが　おりました。はたらくおやのかえりをまって、みちゆくひとをながめております。「みんなおんなじかおをしている…」まちにはかぜがはやっていました。

おやとそろってうちへかえると、したのこイキがねつをだしました。よんでもへんじができません。「はなれていなさい。わたしたちも、とてもつかれた…」そういうとおやたちもたおれるようにねるのでした。

ユーイムもねようとしましたが、なんだかふあんでひとりねつけません。「みんななんだかへんだなぁ…」そうおもっているとげんかんのほうからトトン…トトン…とおとがしました。

きづくとそのちいさなひとはもうとをあけてたっていました。「コンバンバンハ…わたしはたびするけんじゃです…はやりやまいをなおすほうほうをおしらせにやってきたしだい…、セルリポ・セロルボというものでデス」ユーイムはこまっていいました。「かぞくはみんなねています」

「キミにおしらせヨ。ワタシがえらんだコにしかできないカラ…。これよめるカナ？」さしだされたチラシにはしらないもじがかかれていました。「こどもだからよめません」「おとなだったらよめないノ。まあいい…コップにつめとみかんのかわをいれてまどべにおいてミテ…」「え？」ユーイムはふしぎにおもいながらごみばこからみかんのかわをみつけ、つめといっしょにコップにいれるとまどのところにおきました。すると「ウェヘッ」ふとんのしたからのぞくイキのめが…ぎらり!!!

とわらってひくいこえがしました。「ウェヘヘヘヘ～？ソンナノイミガナイデショ～」そしてバシュッ！というおととともにふとんのふくらみが　きえました。「…ねつをだしていまきえたのはイキのぬけがら。ほんとうのイキは、ちかのくににいる。きみがむかえにいくといい」とセルリポがいいました。チラシをもういちどよくみると、かかれてあることがなんとなくわかりました。

「ではコレニテ…」そういってちいさくかしげると、かれはすべるようにドアをぬけていきました。「よういしなくちゃ…」ユーイムはかばんにきのさらととけいをいれて、いえをでました。

よるがくろいなぞをかかえて、ユーイムをまっています。「こわくないぞ」いきをすって、ユーイムはあしをふみだしました。

かみをみながらまちのとおりのうらてへくると、おばあさんがいました。「ぶつぶつぶつ…しょうがないからもらってやったさ…ぶつぶつ」おばあさんはユーイムのチラシにめをとめると、ふくろからパオズをひとつとりだしくちへいれ、「かわへいくならもっていきなよ」とふくろごとユーイムにくれました。ちょっとおおいかな？ともおもいましたが、「もらってみます」ユーイムはふくろをうけとりました。

「かわならあっちさ」おばあさんのゆびは、みちのさきをさしてました。

かわまでくるとたきびのあかりがみえました。おめんをつけているひとたちがあたたまっているようでした。

「おやおや、こんなおそくにちいさいのがおめんもなしでうろうろかい？」たきびのそばへまねかれたので、ユーイムはちかのくにへいくのだといいました。「いりぐちはこのさきだが、おめんなしでちかへはいけんよ」ユーイムはこまって、しばらくかんがえてから「これじゃかわりにならないかな？」とおさらをだしてききました。

「じょうとうだ。だれだかわからんようにすればいいのさ」ユーイムはかわらでひもをひろい、おめんのひとたちはきのさらにあなをあけてくれました。

「じょうできだ。それでゆけるな」ユーイムはおれいをいって、「どんなあじかわからないけど…」とさっきもらったパオズをみんなにあげました。そして、ランタンにひをもらうと、ちかのくにへむかうのでした。

チラシのちずにあるとおり、くろいあながまっていました。つきあかりだけでよめるかんばんが「ちかへのいりぐち」をしめしています。ユーイムはチラシのせつめいのとおり、あなのわきにえだをさし、ねじをじゅうぶんまいてから、とけいをえだにぶらさげました。

くろいあなにはいると、ランタンであしもとがみえました。きいたことのないおとがあなのおくからきこえています。ユーイムがすすむにつれおとはおおきくなり、ユーイムのしんぞうのおともおおきくなりました。

そこはちかのせかいのだいじなへやのようでした。かわったせいれいたちが「ズーンズーンドンドラリュン♪」おとにあわせてからだをゆらしていました。おとはからだのまんなかまでひびいてユーイムはおとといっしょになってしまいそうでした。「はやくここからでなくちゃ」ユーイムはすぐに、イキをみつけました。おめんをしているユーイムにせいれいたちはきづきません。ユーイムはイキにそっとちかづき「むかえにきたよ」といいました。

「ことばのにおいがする～」とつぜんおとがとまり、せいれいたちがあばれはじめました。「そのこはめぐりのむこうへつれていくのだ～～～」「だめー!!」ユーイムはイキのてをひいてへやをとびだしました。ユーイムはきたみちをかけぬけました。「ま～て～」せいれいたちがおいかけてきます。「ふたりですることがたくさんある！」ユーイムがそうおもったしゅんかん、いりぐちのとけいがおおきなおとで「ジリジリジリー!!」あさがきたのをつげました。「ギャ～にんげんのおとだ～～」せいれいたちはとけいのおとを

おそれていました。あなをとびだし、いそいでえだをぬくと、あなはきれいにきえました。しずけさのなか、よあけのかみだけがユーイムとイキのまえにたっていました。「いつかまたあうだろう。きょうはかえりなさい」ふたりはよあけのかみにふれました。

かわらにいたおめんのひとたち、パオズのおばあさん、セルリポ、そらからみたあさのまちは、よるのまちとはちがうかおをしていました。たいへんなよるだったのになんだかからだはかるいよう。イキはよくわからないままかぜをかんじていました。イキもユーイムもまっすぐふとんにはいりました。「よあけのかみにさよならはいっ…たっ…け？…」ふたりはすぐにねむってしまいました。

ユーイムはこのできごとをおとなにはうまくははなせない…とおもいました。あまりにもふしぎなことだったからかな？まだあのきもちをせつめいすることばをしらないからかな？「いつかうまくいえるようになったらだいじなひとにはなしたい」イキとユーイムは、なかのよいかしこいきょうだいとして、そのまちでしあわせにくらしました。

おしまい

「くまのエバック」　2016

①くまのエバック　EBAK THE BEAR

②むかし、ある森にエバックという名の怖がりのクマがいました。エバックの悩みは、川へ行く道、いつもおかしな踊りで通せんぼをするヤギたちでした。

③「♪メーメーてめーどこのだれ～？俺らの人生メー路だョ～！」「あー何て悪そうなヤギなんだ…」エバックは怖くてたまりません。そこで人間の友達に相談することにしました。エバックは人間がクマと同じように五本指を持ち、薬草やキノコや食べ、結構かしこいことを知っていました。

④「ヤギたちが怖いんだ。どうしよう」友達は言いました。「ヤギたちは最近チーズが売れないの。牛のチーズが人気だからよ…だから道行くみんなにからんでいるんだわ」エバックはヤギだちが本当に望んでいることを考えました。

⑤エバックは友達に助けてもらいながら準備をしました。それはなかなか大変なものでした。計画の仕上げはヤギたちとの話し合いです。手紙で済む相手ではありません。

⑥エバックは拡声器で言いました。「君たちの本当の気持ちを考えた。一緒に川まで来て欲しい…怖がらず…」「怖がるだと!?怖がるわけがメー！」ヤギたちはエバックについて来ました。

そこにはエバックの集めた観客が待っていました。「♪チーズのかわりに作ったダンス！聞いて欲しいYOこのメーロディ♪ハンザーッ！」ヤギたちは自分たちの歌と踊りを披露できて大喜びでした。めでたし。

⑧おしまい

「ポイコ」~前半　　2007

POIKO_00 表紙 (c)Y.Ohno

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つづく…POIKO_11 (c)Y.Ohno

「ポイコ」~後半

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「ポイコ」について…♪

子供のエッセイ集のような感覚で作りました。子供向けの言葉使いではありませんし、起承転結にもしばられていません。キラキラプリンセスキャラの姪1号は最初ポカンとしていましたが、お泊りの晩は必ず読み聞かせリクエスト…、じわじわ来ているのか？「何か」が伝わっていると嬉しい限りです♪